そういえば、ハンドベルのコンサート後などに、聴きにきて下さった方から、ハンドベルの譜面について、
「
ハンドベル演奏ではどういった譜面を使用しているのか
」という質問をいただいたことがありました。
ハンドベル演奏で使用する譜面
は、
以前に結婚式でのベルの演奏に関するブログ記事でもちらっと書いた通り、実は、通常のピアノ譜と特に変わりはありません。
実際に、曲によっては通常のピアノ譜そのものや、それをアレンジ版を使用することも多くあります。
またいわゆる「ハンドベル演奏用の譜面」も、
- 一時点に弾く音という意味で、両指で打鍵可能な10音というピアノ譜における制約がないこと
- プラックやL.Vやシェイクといったベル奏法記号の記載があること
- 譜面冒頭に、全オクラーブにおける正音・半音などの使用音(使用ベル)が書かれていること
などを除けば、ピアノ譜との違いは殆どありません。
1カッコや2カッコ、「※D.S(ダル・セーニョ)」「Coda(コーダ)」などの演奏箇所の遷移を指示する記号も、「mp(メゾ・ピアノ)」「ff(フォルティッシモ)」などの強弱を指示記号も、全く同じです。
またオーケストラで楽器によってパート譜が、例えばチェロ用の譜面、ティンパニー用の譜面、クラリネット用の譜面があるように、
ベルのパートによって、
ハイベル用の譜面、
ミドル用の譜面、
ローベル用の譜面があるというわけではありません。
ハンドベル演奏では、少なくとも私が知る限りは、みな同一の譜面を参照して演奏します。
とまあ、そのようにハンドベル演奏では、ほぼピアノ譜と同等のものを使用するわけですが、
例えば過去に演奏した曲を練習する際に、ただその曲のまっさらな譜面があり、またその曲を演奏した経験のあるメンバーがいれば、すぐにかつてのように演奏できるようになる、というわけにはいかないというのが、少なくともプロアルテでは現実としてあります。
その主な理由は、
アサイメントにあります。
一つ目は、その曲で自身が主に担当する音としてのアサイメント、
つまり自分の担当音はE4、F4、G4だとか、C6、D6とそのオクターブ上のC7、D7を担当する、といったアサイメントです。
次に、その周囲のメンバーとの臨時の音(ベル)のやり取りです。
つまり、本当はこの93小節目のC5の音は自分の担当だけれど、その時に別のA4を左手で、B4を右手で打たなくてはならないために、どうしても自分では演奏できない。幸い隣りのメンバーはタイミング的に演奏できそうなので、ではこの93小節目のC5の音は臨時にお願いしようといったやり取りが、一つの曲の中で数多く発生します。
自身の担当音としての
アサイメントはもちろん、そうした臨時的な細かい分担も、みな譜面に書込まれます。
もちろんこれは、譜面上にある音を限られたメンバーの限られた数の手で鳴らすため分担に関する書込みであり、その他にも元々の譜面には記載のない場所での強弱の付加、テンポの創出、和音を揃えるポイントなども、統一した曲想を演奏するために書込まれます。
物凄く単純化してしまえば、ハンドベルである曲を練習することとは、
そうした分担や曲想、テンポ・揃えなどを譜面に書込みと同時に、それらをまた自分自身の頭や体にインプットしていくことと言っても過言ではないかもしれません。
(ですので、もし、もし万が一、そのように必要事項の満載された譜面が失われると計り知れないダメージを負うことになります。
「うわ、また最初から再構築ですか・・・」という喪失感は、ネガティブな意味でプライスレスです。気を付けたいものです。)
そのような次第で、メンバーの譜面には、個人差はあれ、以前に使ったそういった細かい事項が、多かれ少なかれ、びっちりと記載されています。
(個人的には、そういう譜面にはその演奏者の個性が出ていてとても面白いものではないかと思います。
とてもきちっとしていたり、わかりやすかったり、カラフルだったりと。
きっと他の楽器などでも同様なのではないかと思います。
もしハンドベルの演奏者の研究が一つの学術なテーマとなったなら、その演奏と譜面を対比して研究するのは、その演奏者の個性を科学的に究明する上での一つの有益な方法になりうるのではないか、などと思えるほどです。
まあ、でも確実にそんな機会は永遠にないでしょうが。
)
前回に演奏してから時間の経ってしまった曲もあったため、この日の練習でも以前の譜面を参照しながら、自分たちのアサイメントや、周囲とのベルのやり取りを徐々に思い出していけたように思います。
次回以降の練習に繋がると良いなと思います。
さて、今日のお昼、「
台風が近づいていてこんなに風が強い中だし、それほど混んではいまい」と、
久しぶりに「麺や双六」の暖簾をくぐりました。左側が坦々麺(汁あり)、右側が鶏塩ラーメンwith味玉。
期待を裏切らない味でありました。特に味玉の半熟な感じが個人的にはGoodでした。
食べ終わって出て来た時には、この風の強い中でも、いつもの行列が長蛇の列を作っておりました。
双六、侮れないなーと、今年のプロアルテの始動をある意味、実感しました。
以下、メンバー向け業務連絡です。
(※要ログイン) 9月2回目の練習※全ていつもの場所です上記の候補曲に関する詳細はこのフォーラムをご参照。