こんなふうに、最近では、結婚式やその披露宴にて、(
ミュージック・ベルを含めた)ハンドベルの演奏を見かけることは、珍しくなくなってきているように思います。
あるいはもしかしたら、このブログをご覧になっている方の中には
特にこれまでベルと関わったことはないけれども、新郎新婦のためのハンドベル演奏を思い立ち、企画したい

けれど、ベルの手配や選曲など、実際にはどう段取りしていけばいいか良くわからない

などといった場合もあるかもしれません。
そうしたハンドベルにまつわる情報の需要に対して、参考としてその時の友人とのやり取りが少しでも有効かもしれない、と思ったので忘れない内に、ブログ・ネタとして書き残しておこうと思います。
友人の場合、こんな前提でした。
- ミュージックベルではなく、個人所有(
)のイングリッシュ・ハンドベルを使用可能
- 演奏者はみなベル経験者
これは、ベル調達で悩む必要がない時点で、かなりレアな恵まれたケースだと思います。
みな経験者によって演奏できるというのも、同様です。
友人には選曲候補として、下記のような曲を挙げて伝えました。
結局、友人たちは新郎新婦を交えて6人で、「アメージング・グレース」「主よ、人の望みの喜びよ」を演奏することになったと聴きました
あと個人的に面白かったのは、披露宴前日の朝、友人から電話があって、
何が知りたいのかと聴いてみると、「当日、着物を着たいと思っているのだが、それでもベル演奏可能だろうか?」とのこと。
「ベルを当てて、音を止める時にちょっと注意する必要があるだろうけれど、それほど激しい曲を演奏しないし、たぶん大丈夫だと思う」と答えたのですが、
これって「大丈夫さ

」言ってもらうための質問だよな、とちょっと心の中で笑ってしまいました。
私は男のためかその辺は余りよくわかりませんが、たとえ自分のでなくても、女性は結婚式では、華やかでありたいんだな、と。
さて、上述の友人の場合は、ベル調達の目処もあり、経験者による演奏という恵まれたケースでしたが、
実際に、そういうケースは稀で、
殆どの場合では、使用するベルの手配、演奏者の募集、選曲等を行わなければなりません。
それらについて、私の知る範囲で書いていこうと思います。
一応自分なりに色々と調べ、正確を期してはいますが、正確でない情報も含まれているかもしれません。
内容に基づいて何らかの不利益が生じても、当方では責任を負いかねますので、あくまで
参考程度に、お読み下さい。
(記載内容に関しては、免責とさせていただきます

)
「イングリッシュ・ハンドベル」か? 「ミュージック・ベル」か?
広い意味で用いられる、いわゆる「ハンドベル」には、「
イングリッシュ・ハンドベル」と、「
ミュージック・ベル」があります。
(※詳細は、こちらの「ハンドベルの種類」ページをご参照ください。)
なので、「どっちで演奏するか?」を最初に決める必要があります。
「結婚式での演奏」に特化して、便宜上、ちょっと乱暴にまとめてしまうと、下記のような感じでしょうか。
- イングリッシュ・ハンドベル → 本格的な演奏向き。
-
- 調達がより困難
- 低音になるに従って重量が増える
- 打ち方に若干の訓練を要する
- ミュージック・ベル → 手軽に演奏可能。
-
- 様々なレンタル・サービスから借りることができ、そのレンタル代も手頃
- 重量的にどのベルもほぼ均等で軽い。
- クラッパーが全方向に動くため、特に初心者には鳴らしやすい。
イングリッシュ・ハンドベル演奏団体に所属している者がこう書くのも変かもしれませんが、
「結婚式にて数曲を演奏する」のであれば、ミュージック・ベルの方が、コスト・運搬などの面で、より手軽に実現可能と言えるかもしれません。
ご存知の通り、インターネットには、様々な情報があります。
色々と当たってみて、時に新郎新婦さんたちともご相談の上、どちらで演奏するか、最終的にご判断されると宜しいかと思います。
演奏者の募集
演奏曲にもよりますが、最低でも演奏者が4〜5人は必要と思います。
(※ちなみに私がこれまで結婚式で演奏した際の、最少人数は5人でした。)
できれば5〜10人、あるいはそれ以上で演奏した方が、選曲の幅も広がり、曲の中での一人一人の負担も軽くなり、またオクターブと呼ばれる音域
(「ドレミファソラシド」の一音階が、一オクターブです)も広がります。
通常、結婚披露宴での余興としては、2〜3オクターブでの演奏が一般的かと思いますが、
10人近くいれば、4オクターブくらいの曲を演奏できそうです。
また可能であれば、演奏者はそれぞれ楽譜が読めるのが望ましい、と思います。
選曲・曲数によっても練習回数は左右されますが、
自分の担当音を色付けしてマーキングするなどの工夫をしても、
演奏者が楽譜を読めるか/読めないかによって、練習回数は大きく左右されます。
通常、複数の演奏者の都合を合わせて練習を行うに当たり、
より少ない練習回数でなるべく効率よく曲を仕上げていきたいと思うはずですので、
可能であれば楽譜の読めること条件に演奏者として募っておくと、後々楽かもしれません。
(※あくまで効率上の話です。決して、楽譜が読めないと、ハンドベルの演奏ができないというわけではありません。)
選曲、譜面の準備
選曲については、
上述のリストを、一つのご参考としてどうぞ。
演奏者数や、それに伴うベル使用範囲(オクターブ)、練習回数などをよく考慮した上で、じっくりと選んでください。
ポイントとしては、
結婚式向けの曲であるべきなのはもちろんのこと
(失恋・別れなどがテーマな曲はありえないですよね)、
よく知られていて、それほど難しくない曲を選ぶこと、
また新郎新婦さんのご意向も伺っておくと宜しいかと思います。
選曲の次は、譜面の入手。
ハンドベル演奏用の譜面の入手について、いくつか方法を整理します。
一つ目は、日本ハンドベル連盟に関連するサービスからの入手です。
純粋なハンドベル演奏用の譜面を入手するのであれば、ここで求めるのがよいかもしれません。
曲ごとに必要なオクターブ数などが書いてありとても親切です。
また多くのベル譜の特徴として、最初に使用するベルが書いてあるので、後述する
アサイメントを決める際などにも便利です。
但し、その値段が一曲当たりのものであることを考えると、決して安いとはいえません。
もう一つの譜面の入手方法としては、「
オールインパックの利用」でしょうか。
後述するベル手配で検索すると表示されるレンタル・サービスによっては、
オプション費用を払うことで、譜面を含めて借りることが可能なようです。
(譜面台や衣装までもレンタル可能なところも。なんとも便利な世の中になったものです。)
ただ他にも結婚式で演奏したい曲、これまで演奏されてきた曲は、本当に星の数ほどあると思います。
なので、私個人としてお勧めするのは、ある程度のアレンジができる前提にはなりますが、「
ピアノ譜の利用」です。
いわゆる「結婚式向けの曲をまとめたピアノ譜集」も数多く出版されています。
「ピアノ譜」なのは、ハンドベルで使用する譜面は、比較的ピアノのものと近いと言えるからです。
そして「アレンジ」と言っても、そんなに根つめてやる必要はなく、ただ音を削る、それもできない伴奏音を外していき、外せないベースとなる伴奏音とメロディーだけにスッキリさせるよう音をそぎ落としていくような感じです。
要は、その曲であることがちゃんと聴いてわかるギリギリと、その人数で演奏できる可能な範囲を調整して、見つけていくイメージになります。
ベルの手配
最も一般的なのは、レンタル・サービスの利用でしょうか。
2010年8月現在、
イングリッシュ・ハンドベルでは、
「2オクターブ(G4 〜 G6)で4万円台/日」「3オクターブ(C4 〜 C7)で6万円台/日」くらいから、
ミュージック・ベルでは、
「1セット20音前後(A4 〜 F6)で数千円/1〜2週間」くらいからレンタル可能なようです。
またミュージック・ベルは上記の単位なら2〜3万円あれば、いっそ購入してしまうことすら可能なようです。
サービス提供社の数的には、圧倒的にミュージック・ベルのレンタル・サービスが多く、
また料金も、ミュージック・ベルの方がかなりリーズナブルと言えそうです。
探し方が足りないのかもしれませんが、イングリッシュ・ハンドベルのレンタル・サービスは、
ここと
ここの2社しか見つけられませんでした。
イングリシュ・ハンドベルに関わっている者としては忸怩たる思いもありますが、
でもそもそも、そういうコスト・運搬面などでイングリッシュ・ハンドベルにまつわる「高い」「重い」といった問題をクリアするために、二次派生的に開発されてきたのがミュージック・ベルであるという面はあるので、仕方がないのかもしれません。
逆に、だからこそイングリッシュ・ハンドベルの演奏には価値がある、と言えなくもないか、と。
若干強がり気味ですが。
それから、忘れてはならないのは、結婚式本番での演奏の他に、練習時にもレンタルしておく必要がある、ということです。
私自身、ベルのレンタル・サービスを利用したことがないので、あくまで一般論としてですが、
選曲後、使用するオクターブの範囲、それとどれくらいの練習が必要かを計算して割り出して、演奏者たちの都合の合う日程を予め組んでおき、
それに合わせてレンタル日のスケジュールを事前に組んでおくと、スムーズにレンタルが運ぶのでは、と思います。
練習
ハンドベルでは、「
アサイメント」を、予め決めておく必要があります。
アサイメントとは、簡単に言うと、「誰がどの音を担当するか、という分担」です。
もし十分に人数が足りているのであれば、原則一人二音(片手に一つずつ)、
つまり、譜面上で出てくる音を選び出し、調にもよりますが、それを一人正音
(#♭以外の音。つまり、ドレミファソラシド)で二個ずつ分担していくのが、最も安全かと思います。
ただ実際には、一人二音では人数が足りない場合が殆どかと思います。
なので、一人三音・四音と分け、一回曲を演奏してみて、出来なかったパートの人が、もっとできそうな人に音(ベル)を渡す、
という形で柔軟にアサイメントを変更し、再構成していくのが、現実的かと思います。
そしてその曲のアサイメントが決まったら、譜面上に自分の担当する音をマーキングしていくのも、有効です。
その際には、右手と左手の色を分けてみたりすると、更にわかりやすいかもしれません。
これによって、譜面上、とてもビジュアル的に自分の出番がわかりやすくなるので、私を含め、プロアルテでもよく行われています。
練習の回数については、色々なケースがあるので一概にいうことは難しいですが、
2〜3曲のそれほど難しくない曲を、楽譜の読める方々で演奏するとし、一回2〜3時間ミッチリと練習するとして、
少なくて2〜3回、可能であれば4〜5回ほど練習を行えば、当日もより余裕を持って演奏ができるのではないかと思います。
実際にどれくらいの練習回数が必要かが本当にわかるのは、まさに練習をされているご自身たちだと思います。よってその感覚の方を信じるべきか、と。
ここに書いているのは、あくまでも限定された条件に基づく目安に過ぎません。
本番
結婚式での演奏であれ、結婚披露宴での演奏であれ、
たぶん最も大切なのは、ご結婚されるお二人を祝福する気持ちなのではないか、と思います。
その日まで色々と手配を重ね、練習を積んできたのであれば、曲の出来・不出来はそれほど重要ではないのではないか、と。
ただ、もし披露宴での演奏なのであれば、演奏が終るまでは、余りお酒を召し上がらない方が賢明とは言えるかもしれません。
お祝いの気持ちと共に、ご自身も楽しんでハンドベルを演奏することができるといいですね。

そしてハンドベルという楽器に少しでも興味が湧き、好きになっていただけたら、素敵なことだと思います。
以上、なんだかものすごーく長くなってしまいました。
プロアルテ・メンバーを始め、結婚式でのハンドベル演奏経験の豊富な方から何かありましたら、コメントなどで補足いただけますとありがたく存じます。
こんな感じの情報にどれほど需要があるのかはわかりませんが、
様々な方々によって触れられ、また演奏されることで、
ハンドベルという楽器が多くの方々にとって、より身近になっていくといいな、と願っています。
