今日は2つのことについて、書きます。
まず1つ目。
当サイトでもリンクさせていただいている
アルファさんのコンサートに行ってきました。
明治学院のGleeHandbellChoirご出身の物凄い上の世代に当たる先輩の方や、
立教大学諸聖徒礼拝堂ハンドベルクワイアで活動を共にしていた大学時代の近い世代の方々が数名所属されています。
そういえば遠い昔まだ高校生の頃に、家の近くの小学校に公演に来られたのを見に行ったこともありました。
そんな頃から既に活動を始められていた、今年で結成から21年目を迎える、とても由緒あるリンガーズさんです。
渋谷の
青山学院大学の
ガウチャー記念礼拝堂にて、16:30開場、17:00開演。
礼拝堂なので客席数というのかはわかりませんが、1F、2F合わせて約700名近い客席数な広さを備え、趣のある立派な礼拝堂でした。
<夜のガウチャー礼拝堂前にて>
<開演前の様子>
3人の方による指揮で、演奏するメンバーは16〜17名。
ベルはシューマリック製。
チャイムや低音の2ベルを備え、演奏の中でそれらがふんだんに取り入れておられました。
4部構成で、全15曲。
1曲毎にマイクを通じたアナウンスが入り、ベルのコンサートに付きもののベル配置準備の時間を感じさせません。
部は、クリスマス曲を中心とした明るい曲構成
部は、クラッシクや、ベルオリジナル曲。
20分間の休憩を挟んで、
部は、L.アンダーソンの曲を中心とした構成。
部は、日本、アメリカ、イタリア、ドイツの世界各地の曲をピックアップした構成。
コンサートの最後にはベートーベンの「第9」より「歓喜の歌」、そしてアンコールはJ.シュトラウスの「ラデッキー行進曲」と、年末年始のクラシックの定番を意識したコンサートとなっていました。
いつものように個人的に感じたことを書いていきます。
○Ding Dong! Merrily on HighクリスマスにChoirのコーラスでよく聴く曲です。
ベルでの演奏を聴いて、アルファさんではハイベル・ローベルともメロディーに強弱がとても感じられ、T.Dもピッタリと揃っていて楽しくて賑やかで素敵でした。
○PassacagliaG.F.ヘンデルによる、私にとっては中学・高校の頃からベル演奏におけるとても大きな目標として意識してきた曲です。
多くのハンドベル・リンガーにとってこの曲は、一つの高い壁であり、その演奏はエベレスト登頂に匹敵する難業なのではないかとすら、個人的には思います。
ある同一のテーマをこれでもかと繰り返す、緩やかなテンポでも速いテンポのどちらでも演奏されることはありますが、基本的に長く、そしてハイベル・ミドル・ローベルとも音の多い難曲で、聴いている方も、余り上手ではない演奏を聴くと、色々な意味でぐったりしてしまう曲です。
今日のアルファさんの演奏は、基本に忠実な感じの曲想で、Passacagliaにしては軽やかに、私が上に書いた「難曲」であるということを意識させない爽やかな演奏でした。
○そりすべり今年のクリスマス、自分たちの演奏を含めてハンドベルのコンサートで、様々な「そりすべり」を聴きました。
譜面やテンポの違いは皆それぞれですが、この曲に大切なのはやはり明るく軽快な曲想を表すべく楽しげに演奏をすることなのだと、アルファさんのメンバーの方々の楽しげに演奏をされている様子を見て、改めて思いました。
また、鈴、ムチ、ウッドプロックのギミックは同じなのですが、最後にトランペットで馬の嘶きが入れられていたのが独創的で格好良かったです。
○「メリー・クリスマス ミスター・ローレンス」○アルビノーニのアダージョ両曲とも、短調な美しい旋律がとても印象的で素敵でした。
「戦場のメリークリスマス」はプロアルテでも演奏する年があります。
指揮者を立て、原則その指揮に合わせてメロディーが流れるアルファさんの演奏と、
指揮者を立てずに、横でお互いを見合いながらメロディーを形作るプロアルテでは、
ずいぶんメロディーの歌い方が違ってくるのだなと思いました。
もちろんどちらが良いという話ではなく、また指揮の有無だけが違う原因ではないと思います。
一つの曲を同じ楽器で演奏しても、様々な演奏がありうるのだな、と感じました。
20年以上の歴史と、15人以上のメンバー数を誇るアルファさん。
実際は判りませんが、きっと様々な変遷を経て現メンバーの方々の世代も多岐に渡っておられるのだと思います。
そうした幅広い年代の方々による安定した演奏を見ていると、
これからも長くベル団体としてあり続け、歴史やご経験を積み重ねていかれるのだろうな、と感じた素敵なコンサートでした。
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さて2つ目の内容。
昨晩22時からNHKのBSにて、白鵬大学ハンドベル・クワイアと、
バイオリニストの千住真理子さんがコラボレーションする過程を描いた
番組を見ました。
その中で、大学生のハンドベル部員の方々が、コラボする2つの曲について自分たちのイメージを形にしていく過程が描かれ、
練習で合わせながら千住さんのバイオリン演奏からインスパイアーを受け、様々な紆余曲折を経た後にコンサート本番で、自分の大切な人たちに、演奏者それぞれの想いを届けるために演奏していました、
同じハンドベルでも、彼女たちと私たちの奏法(身体の使い方や、ベルの回し方などなど)は、結構違います。
そういうのもあり、最初は同じベルのリンガーとしての興味本位から、「ふーん、こういう団体もあるんだなあ」という感じで見ていました。
けれども、彼女たちがプロである千住さんから、
「演奏技術の表現だけではなく、思いを込める対象としての音楽」のインスパイアーを受け、自分たちでも互いに話し合い、練習していく中でそのことを次第に消化し、最後にコンサート本番の演奏を迎え、演奏している時の表情。
その真剣な表情がとても印象に残り、魅入られ、なんだか心にグッと来るものがありました。
大学生であるがゆえにと言うと偏見かもしれないですが、彼女たちの持つ、とても純粋で素直で真っ直ぐな、音楽と向き合う真剣さがとても表に表れているなあ、と。
もし音楽が何か想いを乗せるためのものならば、そうした「真っ直ぐさ」や「ひたむきさ」を忘れてはいけないと改めて気づかされたような気がしました。これからも聴いて下さる様々な方を前に、私たちがベルの演奏を行うことが、まだ何回もあるかと思います。
聴いて下さる方のために、練習等を通じて技術的にある程度のレベルを目指すのは当然として、
でもそれだけではなく、
私たちも演奏に対して、そうした「真っ直ぐなひたむきさ」が少しでも出ているといいな、と思いました。まる。