リハーサルからこの日は、様々なことがありました。
特に印象的だったのが、「トリッチ トラッチ ポルカ」のテンポで、本番の意識で演奏しているため、最後まで演奏が中断されませんでしたが、いわゆる「超快速」で、最初に自分の担当する裏拍音を入れることができないほどで、演奏が終った後も、「
え?こんなに速くやるの?」と誰もが驚きの表情を浮かべていたりしました。
また今年のリハーサルは、曲の練習に終始していました。
MCでの奏法紹介などに関する事前打合せは、タワースイングで2ベルを使うことと、フォーインハンドに関することくらいがなされたくらいだったように思います。
そしてあっという間に、時計は12時を回っって、リハーサルは終わり、14時の本番開演を迎えます。
本番
「
アヴェ・マリア」は、練習であれ本番であれ、それがどんな場面であっても、プロアルテでこの曲を演奏していると、個人的にとても穏やかな気持ちにさせられるように思います。
たとえ、たくさんの人の目に見守れている中でも、演奏するメンバーの動きや、上から聞こえてくるメロディーに合わせて、自身の音を打っていくことで、その音楽の中に入っていける感じというか。
そうした自然な穏やかさやが、聞いて下さっている方々に少しでも伝われば、と思います。
ただ、個人的に少し前の練習でありえない間違いをしてしまった、というか迷子になってしまったので、本番でも譜面だけは見るようにしていましたが。「
オーゼの死」の始まる前に、突如、部長のMCで今年購入した最大のベルである「G2」を鳴らすことになり、ちょっとビックリしました。
アドリブの効かない私は、普通に一回鳴らすことしかできませんでしたが、せっかくの2ベルだったので、音を止めるまでの時間を長くして、もっと余韻を残す感じにしても良かったかもしれないな、と後から思ったりしました。
「オーゼの死」の全体を通じた、ゆっくりとした重厚なテンポの中で、2ベルたちは、皆さまにはどのように響いていたのでしょうか?
その曲調に、これまでにない新たな荘厳さを加えられていたら嬉しいなと思います。
「
アニトラの踊り」では、変則的な曲調に伴う、彼女のダンスが表す妖艶さのようなものが表現できていたら、と思います。
そして今年の練習日記でもたびたび取り上げてきた「
トリッチ トラッチ ポルカ」。
リハーサルでの経験からか、本番でのテンポはそれほど速めの演奏とはなりませんでした。
この曲の楽しげで洒脱・軽快な曲調が、少しでもお届けできていたら幸いです。
そして第一部の最終曲「
ファランドール」。
今年の演奏では、曲の途中の所々で、パーカションとしてタンバリンが打ち鳴らされました。
ひたすら連打しながらこの曲全体を支えるプロアルテ・ローベル陣と、ミドルからローベルにかけてオクターブで奏でる旋律、目まぐるしく乱高下を繰り返すハイベルのメロディーラインなどによって、
「今年のプロアルテ」が演奏する、煌びやかで華やかなこの曲をお楽しみいただけておりましたら、とても嬉しいです。
コンサート後に目を通したアンケートで、予想以上に人気のあったのが、第二部の「
となりのトトロ・メドレー」と「
バタフライ」でした。
中には、子供さんの書かれた「トトロ」に関するコメントもあって、読んでいて思わず顔が綻んでしました。
また「バタフライ」に対する人気も、ハンドベルという楽器で作り上げられる音楽の幅の広さの一つの表れと言えるのかもしれないと思いました。
こういった予想外の驚きを与えてくれるのが、コンサートで演奏するということに含まれる楽しさの一つなんだな、と改めて思います。
第二部の最後の3曲「
そりすべり」「
主よ、人の望みの喜びよ」「
ホワイト・クリスマス」は、プロアルテでの定番と言える曲たちです。
コンサート本番演奏で面白いのは、こういう私たち自身も演奏し慣れていて、身体に染み込んでいる曲を演奏していると、時として本番演奏が練習以上の出来になるように感じられることです。
たくさんの方々を前に演奏しているという状況の中で、いつもの練習の際以上に、打点や準備などによって、周囲と音を揃えることを意識したり、強弱などのメリハリの強調に努めたりする傾向があるように思います。
自分自身もそうしますし、また他のメンバーの方がそうしているのを感じて、自分が良い意味で釣られていくということもあります。
そしてそれは、「聴衆の皆さま」が聴いて下さっていることが、演奏する私たちの力に変わるコンサート本番の「舞台」という特別な状況のもたらす一つの魅力であるように思います。
(もちろん逆に、いつもならばしない筈のミスをしてしまう、というネガティブな意味での本番ならではの特別さというのがまた存在するのも事実です。
それから、ある意味で、練習以上の力を本番で発揮できる状況というのは極めて稀であり、だからこそその「本番の特別さ」に対抗できるように、常にある程度以上の演奏をできるように練習しなければならないんだな、と改めて勉強になりました。)
そしてアンコール。
一曲目に、これまで「今年初トライ」の曲として、今年の練習日記にも書いてきた「
小人の行進」を演奏しました。
アップテンポに乗って「動」から「静」、そしてまた「動」へと激しく移り変わるこの曲のダイナミックさが、また繰り返しになりますが、ハンドベルではこんな曲も演奏できてしまうということが、少しでもお伝えできていれば、嬉しいです。
高校時代以来の演奏でしたが、私自身、この曲を演奏することができて、とても幸せでありました。
(演奏後には汗をボタボタ垂らしながら、肩で息をしていたので、とてもそうは見えにくかったかもしれませんが・・・)それから、今年の部長によるMCがメンバーの素を引き出す方針だったのか、すぐ横で見ていて、私もビクビクしていました。
例えば、プラックの奏法紹介にて急遽「キラキラ星」演奏のリクエストが出て、「
え?キラキラ星」と慌てるメンバーたちがいましたが、あれは演技でもなんでもなく実際、本当に慌てておりましたし、
シェリー・フォーインハンドの奏法紹介で使用する音を間違えてしまっていて、部長に「
ちゃうちゃう」と突っ込まれていたのも、まさしく「素」でありました。
(コンサート後の打上げでは「 部長、Sすぎます・・・」との声が上がっていました。)それらを暖かい笑顔で見守ってくださっていた聴衆の方々に包まれて、それもプロアルテのコンサートらしさの一部なのではないか、と思いました。
終ってみると、本当にあっという間の一日でありました。
そして今年も無事にコンサートを終えることができてホッとしました。
これまで様々な方々のサポートをいただいてきました。
また
部長も書かれていたように、コンサートに来て、演奏を見ていただくことが、どれだけ私たちにとって有難く励みになっているか、言葉では言い表せません。
これからもそうした感謝を忘れずに、演奏によってお返しするべく、頑張っていきたいと考えております。
これからも、プロアルテ・ベルリンガーズを、どうぞ宜しくお願いいたします。
クリスマス・コンサート終了に伴うお知らせ
- クリスマス・コンサートに関するアンケートを、こちらのアンケート実施ページにて実施いたしております。
(受付期間:2010/12/20〜2011/1/31)
今後の選曲や運営に役立てたく、もし宜しければご協力いただけますと、大変ありがたく存じます。 - コンサートの曲目等の詳細は、こちらの2010年公演記録ページをご参照下さい。