読み:
うちわけ
解説:
ハンドベルでは、アサイメントと呼ばれる演奏者の担当音域を割り振りを必要とします。演奏曲によっては、各演奏者の担当する音(ベル)は、メロディー・伴奏として連続する場面が珍しくありません。そういった場合に、メロディーに属する音ではメロディーの打点で、伴奏を構成する音では伴奏の打点でベルを演奏することを、打ち分けと呼びます。打ち分けでは、打点のみにとどまらず、準備や呼吸なども意識する必要があります。演奏者によっては、音の所属を明確にするために、例えば自分より高音との繋がりを明示するのなら右側に、低音部との繋がりなら左側に、身体の向きを変えて、打ち分けることもあります。ハンドベルの演奏において、聴覚的にはもちろん、視覚的にも音楽を形作る際に重要となる一要素と言うことができます。ハンドベルの練習とは、演奏曲内での自分の担当音の役割を把握すること、またその把握した役割の表現としての打ち分け」を各演奏者同士が互いに把握・調整し合うこと、と言っても過言ではないかもしれません。
読み:
しぇいく
解説:
(英)Shake。視覚的にも、音量的にも、ハンドベルにおける『花形』と言える奏法の一つで、高音のベル(ハイベル)で多用される。ベルを握った手を前後(あるいは左右)に振動させることで、ベル内にあるクラッパーという実際に音を出させるための振り子のような部分を、高速でベルにぶつけ続けることで、その音を連続して強く鳴り響かせる奏法。
読み:
たわー・すいんぐ
解説:
(英)Tower Swing。主に、低音のベル(ローベル)における奏法。たいてい長い拍の音符を表現する場面にて使用される。打つ前に大きく準備をとって、リングと同じ要領でベルを鳴らした後、上に高く掲げたベルを身体の背後に戻し、再び身体の前に高く掲げて胸で音を止めることにより、ローベル特有のずっしりとうねるように響く残音感を最大限聴く方々に届けることが可能となる。<タワー・スイングを実演するメンバー>
読み:
てーぶる・だんぷ
解説:
(英)Table Dump。『T.D.』と略し、「マルテラート」と呼ぶこともある。音質的には、プラックと似ている。奏法として異なる点は、プラックがスポンジに置かれたベルのクラッパーを指ではじくのに対して、テーブル・ダンプでは、リングと同じようにハンドルを握りながら、ベルのキャスティング部分をスポンジに叩きつける。そのため、テーブルダンプの方が、音の強弱や残音感をより調整しやすい面がある。
読み:
ふぉー・いん・はんど
解説:
(英)Four in Hand。「フォーイン」と略すこともある。シェリーともに、主にベルの大きさの小さいハイベルにおける奏法の一つで、片手に二つずつ合計四つのベルを一度に操る奏法。通常、ベルは片手に一つずつ握りながら演奏するが、アサイメントによって、譜面に書かれた自分の担当するベルの音数が一度に捌ききれない場合などに使用する。一度に両手で合計四つのベルを操る点では同じだが、「フォー・イン・ハンド」では、持ったベルを交互に鳴らすのに対して、「シェリー」では、二つのベルを同時に鳴らす点が異なる。<フォー・イン・ハンドを実演するメンバー>
読み:
ぷらっく
解説:
(英)Pluck。ハンドベルにおける、弦楽器のピッチカート、ピアノのスタッカートに相当する奏法。通常、ベルはスポンジと呼ばれる弾力性のあるマットの上に置かれる。プラックでは、ベルをスポンジの上に寝かせ、ベル内にあるクラッパーという部品を指ではじくことで、ピッチカートやスタッカートのような残音の残らない、「ポロン〜♪」「ポロン〜♪」という音質を実現させている。<プラックで演奏するメンバー>
読み:
りんぐ
解説:
(英)Ring。ハンドベルにおいて、最も頻繁に使われる、基本的な奏法。ハンドルを下に握りながら腕を回して、拍に応じた準備の後にベルを鳴らし、残音を響かせながら、胸(や場合によっては指)をベルに当てて音を消す。<リングで演奏するメンバー>リングでは、基本的に腕は円運動を描く。